NHKで放送された時事ネタ王を観た。
番組側が芸人さんに時事ネタをやって下さいってリクエストしてる時点で無理がある。
個人的には芸人さんが心から言いたいことをネタにしてほしいと思ってるから、言わされている芸人側に不自然さを感じる。誰かに頼まれて作るのはネタじゃないと思う。
というかあんなに日本のお笑いが当たり障りないネタしかしないと批判していた茂木さんが本当にこの番組で満足しているなら残念に思う。
かまいたちのネタは面白かったけどエルカブキがやってるフォーマットに近すぎたし、登場前のVTRでキーワードに触れてしまってるところもあり、違和感につながった。
逆にアルコ&ピースのネタはお客さん(今回設定されたニュースを見ない若い女性)がついてきてなくて笑いは起きていなかったが、本人たちが言いたいことをネタにしてる感じで、そこにハマった視聴者は絶対にいたはず。
客に迎合せずに、ついて来れない客が悪いというくらいのネタをしている方がよほど時事ネタ王として価値があると思うが、この番組では目の前のお客さんを笑わせることが正義となってしまっていた。
ハナコのネタはどこまでが狙いかわからないが、関税の上昇によって価値観が変わった世界という設定に驚かされた。とても上手い。
しかしやはり三拍子の巧さは群を抜いていたと思う。コメントもされていたが、公文書書き換えのまずさを身近なところに落とし込んでかつ笑いに変え、NHKの書き換えを批判しながら自分達を落とす展開まで完璧だった。
こういうネタをする人が増えてほしい。
この番組が録画というのもよくないと思う。
生放送で芸人に言いたいことを言わせるリスクがあるのだろうが、明らかにカットされたネタがあると視聴者としては冷めるし、番組側の意図まで勘ぐってしまい、誰も得をしない。
そもそも時事ネタで勝ち負けを決める必要もない。それなら番組の内容からはみ出さない芸人が勝つだけになってしまう。