ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

バンダースナッチパン

Netflixのブラックミラー最新作「バンダースナッチ」を見た。

 

【ネタバレ有り】

 

以前、Podcastバイリンガルニュースでマミが話していたので、ブラックミラーが視聴者選択式の作品を作ることは知ってたし楽しみにしてたのに、そんなこと全く考えずに再生ボタンを押したから「おぉー!これか!」と素直に驚いた。

 

本編に出てくる選択式の本みたいなの、昔あったなぁと懐かしくもなる。

「Aなら15ページへ、Bなら18ページへ」

みたいなやつ。

バタフライエフェクト」や「デトロイトビカムヒューマン」のようなもっと複雑なゲームは既にあるが、ブラックミラーの新作という点でワクワクしてくる。

 

何度も失敗しては戻って別ルートを辿るみたいなのが楽しいのだが、この作品の中にはそれ自体を俯瞰から見たような発言が次々と出てくる。

中でもステファンが感じる「何かに操られている」というのはまさに視聴している僕自身のことを指していることに気づく。

 

この辺りからブラックミラー特有の面白さが迫ってくる。

数日前に出した「外側パン」と似たような、誰が誰を覗いているのかが不確かになってくる恐さと面白さが同時にやってくる。

 

更に、過去に発売された幻のゲーム「バンダースナッチ」を再現しようとする現代クリエイターのシーンでよりメタ的な視点に立たされる。

 

ブラックミラーのシリーズを見た人は「シロクマ」の記号に即座に反応したはず。

ステファンに話しかける選択肢でもあのマークが表示される。

その場面を何度か繰り返すうちに、選択肢に「Netflix」が出てきた。僕はもうそれを選ぶしかなかった。

「私はNetflixという21世紀の娯楽で君を見ている」のメッセージ。

これを見てあの「シロクマ」のエピソードに出てくる、犯罪者が苦しむ姿を娯楽としている人々の気持ち悪さを思い出した。

 

もしかすると僕がまだ見ていないシーンもあるのだろうがかなり満足した体験だった。

次は他の人と一緒に見てみようと思う。