ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

自分を疑うパン

ある保育士の話。

 

子供達がそれぞれ自分の好きなことをして、終わったら片付けてまた次の遊びを始める理想的な保育空間。

それができるまで沢山の試行錯誤があっただろうに、その保育士から出た言葉が

「この子達はもしかすると、こうすれば保育士が喜ぶとわかってしてくれているだけかもしれない」という。

凄い。ここまで考えられるのは本当に凄い。

 

世の中のあらゆる場面で学ぶことは多いし、自分の考えが必ずしも正しいとは限らないことはわかっていても、長年の経験や知識からくる考えは固まってしまいなかなか崩せない。

 

そんな自分のやってきたことをちゃんと疑い、そしてまた考えるというのは本当に凄いと思う。

 

今朝の通勤途中でこんなことがあった。

 

朝から風が強かった。会社へ歩く途中、道路に大きなゴミ袋が転がっていて車がそれを跳ねていた。そのままでは危ないので拾いに行って近隣の家に置いてあったゴミの中に置いてきた。

 

単純に良いことをしたと思った。

しかし先ほどの保育士の話が頭をよぎる。

自分が良いことと思っている良いことは本当に良いことなのだろうか?

もしかすると僕が立ち去った後でそのゴミ袋にカラスが来て、関係ない人の家の前を散らかしてしまうかもしれないし、

実は市の規定で一軒につき回収されるゴミの量が決められていて、回収されずに残ってしまうかもしれない。

自分が気づかない所で知らない誰かが不都合を被ることはいくらでもあり得るのだ。

良いことをしたと独りよがりにならず、その影響で起きる想定外のこともなるべく気にするようになりたい。全部は不可能だろうがなるべく。

こんなことを考えてるから落ち着かない性格なんだろうなと、また考えてる。