最近、ドイツの森の幼稚園に関する本を読んでいる。
その中に気になる表現があった。
「工業生産された多くの遊具は、必要のないものである」
必要ない?
確かに森という自然を利用して遊ぶことは子供にあらゆることを教える機会とは思うが、
そこまで言い切るとはおもちゃを扱う身として聞き逃せない。
この本ではこの後、工業生産の遊具と自然物の特徴を比べ、いかに自然物が子供に作用するかを示してくれている。
例えば匂い。
工業生産されたおもちゃに匂いはない(あるとすれば身体に有害なもの)が、自然物には材料や種類によって異なる匂いがある。
このことで子供たちは材料には特有の匂いがあることを知ることができる。
上記のようなことがいくつか書かれている。
その中で僕が気になったのは色について
おもちゃは人工物であるため、色と材料が一致していないが、自然物には特有の色があり、グラデーションも豊かである。
と書かれたところ。
しかし僕が思うに、人工のおもちゃだからこそ、赤や青や緑や黄色といった基本色を身につけることができるのではないだろうか。
その上で自然の色を見て、これは何色ということがわかってくると思う。
最初から自然のグラデーションを見ても、頭の中の整理すべき場所がわからず困るのではないか。
もう一つ気になった箇所がある。
工業製品は安全基準に従ってテストされる。
自然物は安全規格がない。
従って子供の責任ある行動を促す。
と書いてあるのだ。
確かに安全が保証されていない遊びの中で、自分は何をしていいか、またはしてはいけないかを考えて行動する体験ができるのは必要だと思う。
しかしその一方で、何でも口に入れる乳児などにとっては、確実な安全性のあるおもちゃで好きに遊ぶことも必要だと思うのだ。
どっちも大切!
僕は子供の頃、高いところから飛び降りて足を怪我したことがある。
家族は「バカだねぇ!」と笑っていたが、僕はそうやって経験値としてあの高さから飛び降りるのは危ないと知ることができたのだ。
痛みや苦しみから学ぶことは大人になってからもある。身体を壊したり、有害なもの意外は試してみなければわからないのかもしれない。
この本を読みながら考えてメモしているのがとても楽しい。