よくNHKのニュースサイトの特集を読んでいる。
意外と知らなかったこと気づかなかったことが丁寧に取材されていて、知れたことで新たに考えさせられるのでとても有難い。
昨日読んだのはこの記事。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190122/k10011786241000.html
色の識別が難しい人の話。
僕の父も赤色の認識が曖昧なことがあるので、そういう人がいることは知ってはいたが、その為に見えやすいチョークが開発されたことや、色覚検査をしなくなったことで大人になるまで自覚していない人もいることには驚かされた。
記事後半の「色覚異常はただの見え方の特徴、いいところを伸ばしてあげてほしい」という言葉には大賛成。後ろめたく思うのではなく、別の得意なことを認めてあげるのは大切だ。
しかし僕はこの記事の最後の文が気になった。
冒頭の、タヌキを緑色に塗った小学生の男の子の母親にも話を聞くことができました。男の子は強度の先天色覚異常です。ある日の授業で、動物園に遠足に行った時の思い出を絵の具で描くことになったといいます。淡い色が見分けにくかった男の子は、ゾウをピンク色に塗りました。
それを見た担任の教師は、ほかの子どもたちにも聞こえるように言いました。
「遠足の思い出を描いてもいいし、『こんな動物がいたら楽しそうだな』という絵を描いてもいいですよ」
男の子がからかわれないようにと、機転を利かせたひと言でした。母親は「色覚異常も息子の個性と考えていたからこそ、あのひと言が出たのだと思います。子どもたちと関わる学校の先生には、ありのままを受け止められるように色覚異常の正しい知識を持っていてほしい」と話していました。
僕はこの教師の対応に疑問を感じた。
男の子がからかわれないように機転を利かせたとあるが、この男の子は別に「ピンク色のゾウがいたら楽しそうだな」と思って描いたのではなく、実際にゾウがこのように見えていたはず。
本来ならこの教師は男の子がからかわれない為に、生徒たちに理解してもらう努力をすべきなのではないか?
人と少しだけ見え方が違うということを生徒たちに説明することが教師の役割ではないか?
生徒たちが「おかしいな」と感じていることに触れないことが問題をより大きくするのではないか。
この後に記事のまとめが入って終わるので、この教師の対応は“いいこと”のように紹介されているが、これは当事者の男の子にも、周りの生徒たちにもいいことではないと思い、モヤモヤしてしまった。