amazonは便利だ。
風邪ひいて倒れてても欲しいものが家に届く。
しかしそこでは想像を超える数の人の手が物流を支えていることを知る必要がある。
Netflixのコメディ「ハサン・ミンハジの愛国者として物申す」のamazonの回だ。
その中で売上を伸ばす為に小売店がamazonに出品する例が取り上げられていた。
こうして小売店の売筋データはamazonに行き渡り、売れる商品をamazonがメーカーから取り寄せて安く販売するようになり、小売店を追い詰める結果になっているという。
実によく出来た構造だ。
近所に新しくできたドラッグストアではTポイントが貯められる。月曜日なら2倍のポイントがもらえる。Tポイントカードは多くの人に浸透しているので、この店を利用する人は多いと思う。そのおかげで何十年もその地で続けてきた小さな薬局のおじさんが嘆いている気がする。
このおじさんは昔ながらの気前の良い性格をしている。店に行くと「兄ちゃん、何探してんの?」と聞いてくれて、「こっちがお得だよ」と教えてくれる。レジを済ませると「オマケね」と言ってポケットティッシュを入れてくれる。何となく下町の人情味を感じる。
しかし新しいドラッグストアの店員は驚くほど無表情だ。「いらっしゃいませ」すら言わないなと思えば「ありがとうございます」もなかった。発した言葉はレジでの「1440円です」のみ。無言でお釣りを渡してすぐ振り向いてしまった。この店にまた来たいと思わない。
これが現実だろう。
小売店はポイントや通販やチェーン店によって駆逐されていく。
僕もどうしても安さや便利さに頼ってしまうこともあるが、少しでもそういう小売店の存在を気にかけて利用していこう。
そういえばドイツで「ポイントカードをお持ちですか?」なんて聞かれたことはない。