月曜日のAbemaPrimeを見て思ったこと。
番組後半は子供への虐待のニュースを受けての、体罰をどう捉えるかというテーマだった。
事件が認知されたこともあり、小池都知事は体罰防止条例を出すに至った。
しかし世の中では、親や教師といえどもついカッとなってしまい手が出てしまうことはあるものだとも思う。それを必要な「しつけ」と呼ぶ人もいるだろう。
番組にはかつて子供に躾のつもりで虐待を繰り返してしまったという男性が出演。当時の間違いを反省し、新しいパートナーの支えもあって今では良いお父さんとなっているという。
世界的に見ると1970年代のスウェーデンを皮切りに、現在まで54カ国が体罰を法律で禁止しているという。
かつて3年ほど教壇に立ったことがある乙武さんは、毎日忘れ物をする女子生徒を強く怒鳴ったことがあるという。それでも変わらなかった彼女はある日発達障害だったことがわかった。当時ではまだそれほど認知されていなかったが、専門家の支援を経て忘れ物をしない工夫をした結果、少しずつ進歩が見られたという。その経験から、自分は何て酷いことをしてしまったんだと乙武さんは反省したという話だった。
こういった様々な角度から体罰や脅しに近い教育への考えを改めていこうという流れの中で、一貫して「体罰は必要だ」と言い続けたのがまさに体罰を推進する更正塾を運営する戸塚さんだ。
この人が一切他の意見に聞く耳を持たない。
「体罰を悪とするメディアがいけない」
「あんたらはお金をもらっているから聞こえの良いことばかり言うんだ」
「そんな統計はハッタリだ」
ととにかく決めつけ続ける。議論にならない。
僕は議論を深める為に、世論とは全く逆の論理を展開する専門家を呼ぶことは必要だと思う。その視点から新たに考えるべき、学ぶべきことが見つかるかもしれないからだ。
だがこの人は全く会話が成立していなかった。
「相手を成長させる為、感情的な体罰が必要」と言うのなら、僕が戸塚さんを殴って「何で話を聞かないんだよ!!」とやってもいいことにならないだろうか。
虐待をしていた男性の例も、乙武さんの例も、またこの戸塚さん自身を見ても思うことがある。
大人だって完璧な人間ではないということだ。
自分の中の不安な気持ちが膨らんだ時、不快感が溢れてしまった時に感情的になってしまうものだと思う。それは仕方ない。
だからといって感情に任せて手を出すことはやはり良くない。
国家間の外交で考えてみて、気に入らないからといってミサイルのボタンを押してしまうと取り返しのつかないことにもなる。
だから、カッとなることはあるが手を出さないことを社会全体のブレーキとして持っておきたいと思う。
しかしそれでも子育て中の余裕のなさからつい手が出てしまうこともあるだろう。
ミサイルなら手遅れだが、親子間なら取り戻せるものもある。
少しして自分が冷静になった時に、感情的になってしまった自分を認め、子供に謝ることが大切だ。
こうして、悪いことをしたら謝るということを教えることができる。
大人だって完璧ではないことを子供に教える機会でもある。
子供を持つことは幸せなことだということが多くの人に伝わっていきますように…。