ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

あ、UFOパン

電車など公共の場で赤ちゃんや子供が泣き喚いた時、自分はどうするだろうと考える。

 

少し前にTwitterで、

「泣き叫ぶ赤ちゃんに他人は何をしてあげられるか」

ということが話題になっていた。

 

まず、このことを考えるきっかけが生まれたことだけでも凄く良いと思う。

更にこのツイート主の方は、自分は迷惑だと思っていないことをなんとか伝えたいという思いから発信したらしく、その気持ちをみんなが持ってくれたら何も問題なんてないのになぁと思ったりした。

 

この件の一連の流れでは、女子高生がアンパンマンの動画を見せたことで赤ちゃんが泣き止んだという話だったが、僕としてはこれはあまりオススメしたくない。

泣いている赤ちゃんは何かを一生懸命伝えようとしている。そこにアンパンマンを見せることは、ただ別のことに気をそらせてしまっているだけで何も解決はしていないのではないだろうか。

アンパンマンだけでなく、おもちゃやお菓子を与えることも同じで、その瞬間だけ違うものに気持ちが向いただけですぐに戻ってくると思う。

 

僕らが一生懸命何かを話している時に「あ、UFO!」と後方の空を指さされるような感覚だ。一瞬気が散るが、すぐに戻る。

 

ではこんなシチュエーションの時どうするか、を考えてみる。

先程述べたように赤ちゃんは泣いて何かを伝えようとしている。それはほとんどの場合「不安感」だと思う。もしかしたら慣れない電車に乗って気持ちが落ち着かないのかもしれない。

そしてその不安を解消してあげられるのは他人ではなく親などの保護者だろう。初対面の人に対して安心なんてできないのは大人も子供も同じだと思う。

 

赤ちゃんの不安を取り去るのは親にしかできない。お母さんの顔が見たいのかもしれないし、優しくさすってほしいのかもしれない。

 

しかしそんな瞬間に件のエピソードのように母親が以前叱られた経験から、周りの人に対して申し訳なさそうにオロオロしてしまうこともあるだろう。

 

子供が不安を感じて見上げた唯一の救いの存在であるはずの人が、目の前で不安の表情をしていては安心なんてできやしない。

 

だからこそ、周りの人にできることは、

赤ちゃんの親を安心させること

ではないだろうか。

 

そこにはなにも専門的な知識は要らない。

「何ヶ月目ですか?」とか

「大丈夫ですよ」とか

気軽に声をかけてかけてあげるだけでいい。

「周りは気にしないで赤ちゃんだけを見てあげてくださいね」と伝えるだけでその親が安心してくれれば、自然と赤ちゃんも安心すると思う。

 

東京に住んでいて思うが日々の生活は忙しい。

子供を持たない人が子供のことを考える機会はほとんどないと思う。

多くの人は親になって初めて子供の成長について調べたり知ったりするだろう。

だけど子供はとっても大切な存在だ。

結婚してなくても、子供を持つ気がなくても、誰もが子供の気持ちや成長について考える機会を持つことが社会全体にとって必要ではないだろうか。

学校の必修科目にしてしまえばいいとも言えないが、全員がある程度の知識を持てる基盤が整えば、もっと子供に優しい社会の空気が作られるような気がしている。