ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

喫煙席パン

友人とカフェに立ち寄った。

休日ということもあり混んでいたのか、入り口付近に何人か座って順番を待っている様子だった。

店員に尋ねると「喫煙席なら数席空いています」とのこと。

僕も友人もタバコは吸わないが、周りが吸っていても気にならないので通してもらうことにした。

 

もう少しすればこういうお店に「喫煙席」は存在しなくなることになっているなぁと思い至る。

しかしそもそも「喫煙席」と「禁煙席」って分け方自体に疑問を覚えてきた。

喫煙することが当たり前の世界で、タバコの煙を嫌う人の為のエリアが「禁煙」と呼ばれるようになった背景は理解できる。

しかし今は立場が逆転し、タバコを吸いたい人の為のエリアが「喫煙所」「喫煙席」という形で限定されているのだから、その他は「普通席」と呼んでもいいのにな、などと思ってしまう。

 

子供の頃から周囲に吸っていた人間がいたせいか、個人的にはタバコの匂いは気にならなかったつもりなのだが、近頃では道端など喫煙スペースではないところでタバコの匂いを感じてしまうと少々咳き込むようになってきた。来ると思っていない場面で身体が驚くのかもしれない。

 

ふと思う。

喫煙席が空席でタバコを吸わない自分がそこに通してもらった場合、周りの客のタバコの煙に咳をしたらどう思われるだろうか。

一度や二度なら気にされないだろうが、飲み物が気管に入ったなどの理由で咳き込んだりしていると白い目で見られるような気がする。

“嫌なら喫煙席に来るんじゃねぇよ”という視線を一斉に浴びることが想像できる。

でもここは「喫煙席」であって「禁咳席」ではないので僕は咳をしてみたい衝動に駆られてしまう。

きんせきせきって何。

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