今年はディズニーの実写映画化のラインナップが凄い!と宣伝されている。
「メリーポピンズ」に始まり「ダンボ」に「アラジン」に「ライオンキング」といったかつての人気作が続々と実写化されるという。
どう見てもこれ、「美女と野獣」の実写版が大ヒットしたことに味をしめたのが見え見えじゃないだろうか。
個々の作品自体は素晴らしいもので、僕もそれぞれに思い出が詰まっている。が、ここまで続けざまに公開するというのはどうしても集客を重視しているように見えてしまう。
つまり、かつてアニメーションで見てきた子供達が大人になって彼らの子供を連れて映画館に来てくれるだろうということだ。
しかも上記の作品だけでなく、他にもトイストーリーとスターウォーズという確実に興行収入が跳ね上がるシリーズ作品が待ち構えている。
別にディズニーに助言をするつもりは毛頭ないし、かつてアニメーションで一世を風靡した作品が実写化によってさらに多くの世代に広まるのは良いことだ。しかしそれにばかり頼ってしまうと次の世代、つまり今の子供達が大人になって彼らの子供を連れて観に来る作品がないということが起きてしまわないだろうか。
大ブームを巻き起こした木のおもちゃがある。元々は工場で丁寧に作られ世界に輸出されていたのだが、ブームによって生産が追いつかなくなってしまった。どこの店も品切れ状態で予約は2年待ちとも言われた。そしてそのメーカーは工場を拡大し、より多く生産できるようになった。しかしこれまで長年作ってきた、おもちゃの材料である木を切りながら植えて育てるというサイクルを崩してしまった。目先の生産に追いつこうとしたことで、次の木材が育っていない状況が生まれてしまった。
資本主義が悪いとは思わない。しかし一人ひとりが目の前のことだけでなく数年後、数十年後への影響まで考えることも必要ではないだろうか。