2020年から小学5.6年生の英語の授業が必修となる。3.4年生ではその前段階としての外国語活動の時間を設けることになっている。
そんな英語教育の前倒しに諸手を挙げて喜んでいるのが子供向けの英会話スクール。「小学校の英語に備えよう」という文言でなんと1歳児向けのコースなんてものも存在する。
子育て情報誌「母の友」でこんな特集が組まれている。
この本によると「1年以内に少しでも仕事で英語を必要とした経験があるか」という無作為アンケートで「ある」と答えた人が16%という内容が載っていた。「少しでも」と強調されていてこの数字だという。
つまり「国際化社会」といいながら、実際に英語を必要とする仕事をしている日本人はせいぜい1割程度ということが示されている。
もちろん実際に日本で暮らす外国出身者の数は増えているので英語が使えることは役に立つことではあるが、本当に「国際化」というなら英語だけじゃなく中国語やドイツ語やフランス語をやったっていいはずなのに何故か“英語教育”をやりたがる。
それでも子供が幼い内に英語を教えたいなら親が教えればいいのでは?だって義務教育を受けてきたはずでしょう?小学校で教える内容の先取りくらいできるはずでは?
そもそも、英語を学べるようになるには、日本語がしっかり使えることが前提になる。
日本語ですら「知って・考えて・伝える」ことができないうちに英語でそれをしろというのか。
正しい日本語を身につけるにはやはり読書が大事になる。
読書が好きになるには子供時代に絵本を読む経験が必要だ。
読書よりも手っ取り早く文章を読む手段は身近にある。
スマホを開けばありとあらゆるメディアからネット記事が山ほど配信されている。
インフルエンサーと呼ばれる人々がSNSを通して発信を続けている。
このブログのような弱小ページまで含めるととんでもない数が存在するだろう。
しかし、ネット上で触れる文章には誤字や脱字が多いのも事実だ。
まだ正しく日本語が使えない段階で触れるものとして適切とは到底言い難い。
書いている人も読んでいる人も間違った表現であることがわかっていないことすらある。
そう考えた時、書籍というものの崇高さに改めて気がつく。
校閲された文章という存在の大切さがここにきて身に染みる。
興味があるものからでいい。大人も子供もとにかく本を読もう。
英語教育の話はその後だ。