「ロードオブザリング/二つの塔」のラストでサムが苦しい気持ちを吐露する場面がある。
心に深く残る物語の中に入り込んだ気がします。暗闇と危険に満ちた物語。
明るい話になり得ないので結末を聞きたくない。悪いことばかり起こった世界が元に戻ります?
でもこの暗闇もいつかは消え去ってゆくでしょう。暗黒の日々にも終わりが、新しい日が来ます。そして太陽がより明るく輝く。そういうのが心に残る意味の深い物語です。
子供の時は分からなくても、なぜ心に残ったのか今はよく分かる気がします。
物語の主人公たちは決して道を引き返さなかった。何かを信じて歩み続けたんです。
この世には命を懸けて戦うに足る尊いものがあるんです。
この台詞だけでこの映画を観てよかったと思える。
子供たちに絵本や児童書を読んであげることの素晴らしさを見事に表現している。
たとえ全ての意味が分からなくても、希望に満ちた物語は子供たちの心に届くんだと、この物語を書いたトールキンは伝えている。
やっぱり“物語”は偉大だ。
僕自身、子供の頃に読んだ絵本や祖母から聞いた昔話などをよく覚えている。
子供時代に出会った数々の素敵な物語がその人の将来を明るく照らしてくれる、そんな気がする。
だから今子育て中の人、これから親になる人、子供と関わる全ての大人が「心に深く残る物語」を知って子供たちに伝えていって欲しいと切に願う。