ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

送料は無料じゃないパン

楽天市場の送料の一件。

購入額に応じて送料を無料にする制度が出店者からは非難轟々という。

 

それもそのはず、そもそも送料は無料にはならない。この場合は出店者が負担することになる。つまり売り上げに直接影響する。

しかも送料無料化に同意しなければ検索結果が上位でなくなるという。これは実質脅しに近い。自分でネットショップを作れる事業者は離れているようだけど、そうでない出店者は従わざるを得ない。

 

いや、この件のニュースを見ていて気になるのは、楽天も報道も一般人もみんな揃って「送料無料」という言葉を使っていることだ。

僕は業務上、荷物を配達してもらうこともあるし集荷してもらうこともある。日常的に運送業者さんと顔を合わせていればそこで人が働いていることは当たり前にわかる。彼らの給料はどこから発生するか、送料だ。

 

「送料無料」という言葉はどこのショッピングサイトでも見かけるようになったけど、これは荷物を集荷し、運送し、配達している人たちへのリスペクトに欠けているとは思わないか。

 

いや確かに「◯千円ご注文で送料無料」と書かれていればその金額を目指すだろうし、逆に「送料1000円」と書かれていると商品の金額に上乗せして支払うことに抵抗感が生じる消費者の気持ちもわかる。

多分amazonの「送料無料」に飼い慣らされた結果としてみんなが同じ価値観を持つようになってしまったんだろう。

 

だけど何度でも言う。そこには人がいて、その人たちにも生活がある。

決して送料は“無料”になっている訳じゃなく、店舗やメーカーなりどこかが負担しているだけだ。

 

実際僕の会社では「送料無料」ではなく、

「送料弊社負担」と言い換えることにしている。

 

感染症の世の中で気楽に「外出は控えて買い物はネットで済ませよう」って考えがちだけど、その注文ボタンの先でいろんな人が働いていること、感染の恐れも抱えながら荷物を運んでくれていることに感謝をすれば、送料無料どころか上乗せしたっていいくらいのことじゃないだろうか。

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