昨日の『ヨブンのこと』の中で朝井リョウが子供の頃に将来の夢を聞かれ大人の顔色を伺って「大工さん」と答えた話をしていた。
それを聴いて思い出した。
僕も全く同じように、将来の夢を書く欄に「弁護士」と書いたことがある。
弁護士に何の憧れもなかったけど、成績は良かったのでそう書いておけば周りから賢いと思われそうだという企みからそうしたのだった。そして案の定、それはクラスメイトだけでなく保護者の間でも多少評判になったことを覚えている。
繰り返すけど、僕は弁護士になりたいと思ったことは一度もない。多分あの頃は本気で「冒険家」とか「小説家」思っていたはず。今思い返せばそのまま書けばよかったんだろうけど、何かそこに生まれた恥ずかしさと背伸びしたい気持ちが「弁護士」と書かせたんだろう。
先日見た村本大輔のドキュメンタリーの中で彼は「赤ちゃんはカッコいい」と話していた。
周りの視線など気にも留めずひたすら自分の思いを泣いて主張する赤ちゃん。どうやら僕は赤ちゃんのカッコよさを捨てるのが早過ぎたのかもしれない。