映画『万引き家族』を観た。
観てて辛くなる作品だった。
その存在を否定された者たちが集まって家族同然に暮らしている物語。
そんなことある訳ないと切り捨てることは簡単だけど、それぞれの事情は本当によくある話だ。
特にパチンコ店の駐車場や家の玄関の前に児童を放置する親のネグレクト問題は後を絶たない。
そしてまともな教育も受けられず世間から隠れるように生きてきた子供は大きくなってからも犯罪に手を染めるしか生きる術を知らない。
負の連鎖だ。
逆を辿れば今子育てに責任が持てない親になってしまった人は子供時代に正しく愛され正しく教えられてこなかったとも言える。
結局のところ乳幼児期から成人するまでの子供の教育を真剣に考えないことには状況は改善しないということだ。
しかしここで更なる問題がある。
子育てに大きく関わる保育士や教員の待遇の悪さも常々報道されている。日々の日課をこなすことで手一杯の状態では子供一人ひとりをまともに教育する余裕など生まれない。給与待遇の悪さだけでなく支配的な制度も近頃は大問題になっており、歯止めが効かなくなっている。
このままでは万引き家族は増えていく一方だ。