『古舘伊知郎トーキングブルース2020』
なかなか時間がないながらも2回観た。
もう圧倒されるばかりで、どんなに言葉を尽くして感想を述べてもあのお喋り眼鏡に敵う筈もなくて悲しくすらなる。
僕にとって最初の古舘体験はNHKで放送していた『クイズ日本人の質問』の司会の姿だ。それから『おしゃれカンケイ』を経て『報道ステーション』の司会をしていた人というイメージ。恥ずかしながらプロレスやF1中継の一面というのは後から知った話だ。
そして2014年、深夜のテレビでその年行われた『トーキングブルース』のダイジェストが放送されたのをたまたま見つけた。慌てて当時のワンセグ携帯に録画した。この人はニュース番組の影でこんなにも喋ることに命をかけているのかと感動したのを覚えている。
今回、6年ぶりのトーキングブルースとあって先日その録画番組を引っ張り出して再視聴した。やっぱり面白かった。そして僕自身、以前より更にその深みを感じられた。成長したってことなのかもしれない。
今回のトーキングブルースはほぼ全編コロナの話になった。いやコロナからいかに多様な話の引き出しを開きながらちゃんと整理整頓できてるかといったような展開だった。
その中でも、ウイルス1個が人間の細胞に入るということを、人間1人が地球以上の大きさのものに入ると例えたのが印象的だった。
たった1人のちっぽけな人間が大きな地球に影響を与えることなんてできないさ、と捉えるか、1人の人間でも地球の体調を左右することだってあり得るんだな、と捉えるかは人それぞれだろう。
そして最後の東京こそ24時間体制の3密という話。まさにその通りでこの街は既に異常なんだと思い知る。先日壮大な自然を見てしまった僕にとってこの都会で今後暮らすということに大きな疑問を湧き起こさせる話だった。
こんなに途切れることなく喋り倒すというのは気持ちいいね。僕も喋りたくなってくる。
古舘は中田敦彦と対談したYouTube動画の中で彼らのような喋り手のことを「トーカー」と呼んでいきたいと話していた。
僕も喋ることが大好きで言葉に多少なりのこだわりを持っている。「トーカー」達の端くれの端くれにでも入れてもらえるよう、頑張りたい。