ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

教育の有識者のご意見パン

昨日の続きで教育再生実行会議の議事録から個人的に良かったと感じたところを取り上げてみる。

 

佃副座長

一例として、同一年齢・同一学年、日本は、これが非常にリジットに決められているようでございますが、親の意識というのが非常に強い。もう少しフレキシブルに IT を活用して、個性を生かした個別教育をするには、横一線という意識、これを何としても直さないと、なかなかそれを教育のシステムに落とし込むということは難しいのではないかと考えています。
小学校から、履修制から修得制にどこまで変えられるかというのは難しいのですが、そういう方向にもっていくような議論というのをしていければと思っております。

 同一年齢は横一線に揃っているべきだという社会の考え方を変えていく必要を述べてくれている。本当に留年とか浪人とかを悪く扱うべきじゃないし、逆に飛び級も増えていい。その一つの提案としての修得制というのは面白いなと感じた。

 

工藤委員

新型コロナの問題というのは、日本の教育とか社会そのものの課題を浮き彫りにしたように思うのです。当事者意識がなくて、待ちの姿勢である、自立型ではなくて、受け身の状態である。サービスを与え続けられる人間というのは、だんだんサービスに慣れてきて、サービスの質に不満を言うようになる。もっといいサービスをくれというような、そういった社会の風潮というのでしょうか、それが今回、浮き彫りになったと思います。

与えられた課題をこなすのではなく、自ら進んで課題を見つけ取り組んでいく姿勢を持てるような教育が必要だと話してくれている。コロナに対して自分がどう生きるか、自分の行動を政府に決めてもらうようじゃいけない。

 

秋田委員

小学校、中学校で協働的、探究的な学びができるためには、実は、学校教育の始まりは、幼稚園や認定子ども園でありまして、幼児期に十二分に遊びをして、その中で探究をするというような経験を幼児教育で十分保障するということが、小学校の下に下ろすのではなく重要です。

幼児期の「遊び」こそが探求心を育むという提案。これは海外の幼児教育でもよく言われていることで、ものすごく重要であるにも関わらず日本ではあまり取り上げられない。しかも今会議の「議事要旨」ではこの部分が省かれている。作ったの誰だ?

 

八木委員

現在、中学校の教科書採択が行われているのですが、これに当たって、各教科書会社が、全国の教育委員会に見本として、1 万 5000 冊を無償で配付しなければならないというルールがあります。これは、教科書会社にとっては、大変財政的な負担で、これが教科書会社の新規参入を阻んでおります。この見本本の配布をデータでの送付に代えられないかと思います。今、全教育委員に、全部紙のものを送っていますが、教育委員会に1冊だけ送って、あとはデータの送付でもいいのではないかということです。 

 教科書会社の立場については知らないことが多いと教えられた。でもこの方の「紙の教科書の方が該当ページをすぐに見られる」という意見はちょっと電子書籍を使えてないのかなと思わざるを得ない。

 

さて、こう言った意見が最後に無視され「ワーキング・グループ」の開催が決まったので、この会議が今後どんな流れになっていくのか追いかけていきたい。

f:id:mumusanopinojr:20200901220459j:image