ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

タルーラパン

Netflixの映画『タルーラ』がとても良かった。

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我が子に全く興味なしのネグレクトママ・キャロライン、

恋人ニコに逃げられホームレス生活を続けるタルーラ、

旦那と別れ息子とも音信不通で生きる糧を失くしたニコの母・マーゴ。

 

忍び込んだホテルで急に頼まれ子守をすることになったタルーラがまだ2歳足らずのマディソンになつかれ思わず誘拐してしまうところからこの3人の人生が交差する。

 

それぞれ立場も悩みも違う3人だけど、どれも現代社会に即した「あるある」がそこにはあると思う。

子育てについて何もしない旦那や上手くこなしている周りからのプレッシャー、自分からどんどん人が離れて荒んでいく心、やったことは確かに誘拐だけどあのままにしておけなかった道徳心、などなど一見どうしようもない登場人物たちもどこか憎めず何かの歯車が合えば上手くいくはずと応援したくなってくる。

社会に彼女たちを救うことはできないのか。

 

そしてラストシーンは決して完全なハッピーエンドではないんだけどそれでも彼女たちに生きる希望ができたという安堵感で観ているこっちまですっきりとする。

日本語のサブタイトル「-彼女たちの事情-」はとても絶妙で久々にナイスだと思えた。これに尽きる。

 

友人に教えてもらった映画なのでこれを観た人がまた観てくれればいいなと思う。