ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

エストニアパン⑲歩く歩く歩く

ホステルの共用シャワールームへ。お湯が出るところと出ないところがあるってどういうことよ!?近所のカフェで朝食。晴れた日にテラス席で優雅にコーヒーとトースト、に憧れてたんだけどこの日もどんより曇っていた。

 

このホステルのチェックアウトを済ませ、今夜から2泊予約している別のホステルに荷物を移動させる。意外と離れているし、昨日歩いた道を引き返しているから面倒だ。着いたら着いたでインターホン越しに「14時からだ!」と連呼され、荷物すら置かせてもらえなかった。地図上では南側に湖があるのでその方面に向かってみる。左手にタリンの軍事基地が見えてきた。子供の頃、日本の自衛隊基地の航空ショーに行ったことはあるけど、そんなもんじゃない、フェンスの外から見ただけで物々しい雰囲気が伝わってきた。高速道路の下をくぐり抜け、草木の生い茂る小道を行くも、先は立ち入り禁止。回り道してもまた行き止まり。歩いては引き返しを続けてただ疲れただけだった。よし、行先を変更し近くのタリン空港に行ってみよう。僕の地元の空港よりも少し大きいくらいの国際空港だった。トイレに入る。手洗い場の鏡にネクタイの結び方が書いてあったり、出口のドアに「チャックは閉めた?」と確認されたり、面白く作られている。

 

空港からバスに乗ってホステルの近くまで戻ってチェックインして荷物を置く。少し休憩してまた出発。今度は北方面へ。好きな歌を歌いながらのんびり歩く。公園でテニスをしている子供たち、みんな上手いなぁ。サーブを打つところから練習すれば、いつでも当たり前に打てるようになりそうだなぁ、とサーブが苦手な僕は考える。

 

綺麗に花が咲いたエリアに入った。ミツバチが群がっている。自然そのものだ。目的もなくよさげな雰囲気の方へ歩いてきただけなのになんと『カドリオルグ宮殿』に辿り着いていた。なるべく下調べはせずにエストニアに来たのだが、それでもこの名前くらいは聞いたことがあったので、ここかぁと感慨深い。壁がピンク色に塗られた宮殿はまるでおとぎの国のようだ。整えられた庭園は広く、どの角度から見ても素敵だ。しかし壁についた顔の形の噴水だけは理解できない。目と鼻と口からチョロチョロと水が流れ続けている。フランダースの犬を見た後かよ。

宮殿を通り抜けると海岸に出た。天気も良くないし、流れ着いたゴミも多い。パルヌの海には劣るよなぁ。

 

次は街に向かう。電柱の周りに人が集まり全員スマホとにらめっこしている。何をしているのか尋ねるとポケモンGOだった。その先のモダンな建物がタリン大学。卓球スペースもあった。郵便局に着いたのでポストカードを出したところで今日も雨が降ってきた。腹も減ったのでオールドタリンに入ってレストランを探す。なんだか民族衣装を着た店員のいる店に決めて、屋根のある屋外で食事することにした。中世ヨーロッパの雰囲気の木製ジョッキに入ったビールと様々な種類の魚のスモークが出てきた。想像以上に美味しくて他より高いのにビールが進んでしまった!

 

ホステルに戻る道中、初日に見かけたのと同じ広場を通りかかった。やはりこの巨大なモニュメントはエストニア独立戦争を経て建てられたものらしい。