今日、僕は結婚式をする。
1年前に籍は入れていて、妻とも一緒に暮らし始めていたが、挙式はまだだった。
今年の2月に式場を決め、7月に挙げる予定だったがそうはいかなくなった。理由は言わなくてもわかるだろう。延期して今日になった。
元々「結婚式」というものが苦手だった。
自分は主役になる人間じゃないと思っていたし、自分のことを主役だと思っている人が苦手だった。“人は皆誰かの人生の脇役”と考えていた。
自分たちの為に家族や友人を呼んで中心に立って「さぁ、祝ってください!」みたいな雰囲気が性に合わなかった。
しかし妻は違った。
「今までの人生でお世話になった人達に感謝する結婚式にしよう」と言ってくれた。
その言葉で結婚式に対してネガティブだった僕の考えは変わった。多くはないけど友人と呼べる人に声をかけたいと思えた。そして声をかけた人達は皆大いに喜んでくれた。
式の形式も、自分たちが上座に留まるのではなく、各テーブルを回ってじっくりお話しできる機会を増やすことにした。
こういった状況下なので呼びたい人が全員揃うことができないのは残念だが、ビデオ会議ツールで全国どこにいても顔が見える状態も用意できた。
僕のちっぽけな想像力を遥かに超えた式の準備が整っていった。緊張はするがそれより大きな喜びが待っている。
僕をこんな気持ちにさせてくれたのは妻だ。
最後に妻に最大の感謝を伝えたいと思う。
今日、僕は結婚式をする。