ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

映画と原作パン

日本の映画があまり面白くない。

 

今までその理由は小説や漫画の原作ありきで制作しているからだと思っていた。

ほとんどの場合それで原作を超えることがなくて、ガッカリする気分を何度味わっただろうか。あんなに面白かった原作の良さを2時間に削ってしまうことを悲しいと感じることの方が多かった。

 

だけど映画を作る側にも採算を確保する必要がある。作るからには一定の売り上げの目処が立っている必要がある。だから人気漫画の実写化とか、文学賞受賞作の映像化が相次ぐのだろうなと認識していた。

そして映画だけでなくドラマもそういうのが増えてきている気もする。

 

しかし最近出版社に関する本を読んで、それだけじゃないなと思えてきた。

出版業界も年々売れ行きが下降する中で、なんとか本や雑誌を売りたいといろいろ画策しているという。

そのいろいろの中にやはり“映像化”が入ってくるのは当然とも言える。ドラマや映画を観た人が原作に手を出してくれることが何より有難いのだ。

実際、先週乗った電車で隣に座ったおじいさんが『罪の声』の原作本を読んでいた。今回の映画公開をきっかけにしているのは間違いない。

 

だから、映画テレビ業界は原作ファンを集客したいし、出版業界は映画やドラマから引き入れたいという両者の思惑が一致しているんだとやっとわかった。

 

僕は映画には映画にしかできない面白さを追求してほしいし、小説には小説ならではの仕掛けを求めている。

もちろんそれが両立できている作品もいくつかあるし、僕はそういうのも好きではあるんだけど、もう少し独立性があったらいいなと自己中心的なことを考えてしまう。

『カメラを止めるな』のように無名から口コミで一気に駆け上がるしか方法はないのかもね。

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