オリンピックに代表されるように、スポーツの中継には「放映権」が必要で、その為に多額の費用がかかることは広く知られている。
例えばNHKが放映権を獲得するからテニスのウィンブルドン選手権をNHKで見ることができる。
そして視聴率が取れそうな試合では放映権を奪い合うから、野球の日本シリーズでも第3戦はテレビ朝日、第4戦はフジテレビで放送、なんてことも起こりうる。
少し気になったことがある。
ここ数年で各種SNSや動画サイトを通じてアスリート本人や所属チームが自ら情報発信する場が生まれてきた。
先日の田中将大の楽天イーグルス復帰会見は、楽天イーグルスの公式アプリと田中将大のYouTubeチャンネルで配信されたように、本人やチームの意思で好きな発信をファンに届けることができている。
ダルビッシュ有はYouTubeチャンネルの中で日頃のトレーニングやボールの投げ方を解説していて、世界中の誰もがプロの取り組みや考え方を直接知ることができる場にしている。
田中やダルビッシュのような有名選手ならいいけど、そうじゃない限り大きな問題が生じると思う。
仮にマイナースポーツの選手がYouTubeで日々のトレーニング動画を上げているとする。
この選手の解説が分かりやすくて、初心者から経験者まで参考になるような筋肉の付け方や食事方法、はたまた休日の過ごし方などがウケて一部で人気チャンネルになっていく。
ファンが増え、さあいよいよ明日は試合。この日に向けてトレーニングを積んできた。応援する側にも熱がこもる。
そしてなんと…!
試合が放送されない!!
なんならついさっきまで選手本人がTwitterで「ユニフォームに着替えました」と報告していたのに、大会そのものの姿が拝めない。
なぜなら放映権がないから。
なんてことにならないだろうか。
視聴者が見込めないからテレビでもネット番組でも中継されないことは十分起こり得る。するとファンは大会結果をネットで検索するか選手本人のTwitterの更新を待つしかなくなる。
トレーニングばかり見て本番が見れないというねじれ現象だ。
無理は承知なんだけど、未来のスポーツ中継は選手の立っているグラウンド目線からの試合を選手本人の発信アカウントから見ることができると面白いだろうなと実現を楽しみにしている。