ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

赤ちゃんが産まれた日、僕は悲しかった。

週刊誌やネットニュースの報道でご存知の方も多いと思いますが、先日第一子が誕生しました。

長い妊娠期間を耐えてくれた妻に感謝し、新しく産まれた命に祝辞を送ります。

 

自分の子供が産まれた日というのは不思議と気分が晴れ晴れしていて、空を見上げて心が浄化され、道ゆく人にいちいち報告したくなるような浮ついた状態で過ごしていました。こんな幸せな気分になるのは何年ぶりでしょうか。

 

そんな日の夜、実家に電話で報告しました。

そこでもまた、いとこの兄ちゃんと比べられ「先越したな」と言われました。

前回のこと↓

2021年に産まれるパン - ソートベーカリー

からいろいろと考えていたので、今回ははっきりと「先とか後とか、勝ちとか負けじゃない」と話しました。

すると父は「そんなの本気で捉える方がどうかしてる」と僕を笑い者にしたのです。

 

確かに、いとこの兄ちゃんすらも僕に「先越された」と言ってきたので本心を聞いてみると「便宜的にそう言ってるだけ」と答えられました。

つまり父もその他の人も、本気で勝ち負けとは考えておらず、ただ形式的に、みんな言ってるからそういう言葉を口にするんだとわかりました。

意味もなくただみんなが言ってることを自分も言ってるだけというなら尚更タチが悪い。それが引っかかったり嫌な思いをする人がいるんだから言わなきゃいいだけじゃないか。

 

父との電話の1時間後に父から長文のLINEが届きました。

内容は「そうやって言葉尻を捉えて非難するのは朝日新聞の手法だ」そして僕の至らない点を指摘し「自分のことを棚に上げて非難するのは左翼的思考だ」「おれは右派、保守。左翼の思考には断固反対する」というものでした。

 

これまでも父からの長文のLINEで良かったことなどありません。大抵「普通はこうだ」「男はこうだ」しまいには「普通じゃないお前はアスペルガーじゃないか」ときたこともありました。その都度、僕自身を見て、僕自身の希望を聞いてくれ、と訴えてきたし、カテゴリで話をしないで、と伝えてきました。そして頭痛に悩んだり、体調を崩すこともありました。

 

そんな父が今回は左翼と決めつけてきたので、「そういうカテゴライズはやめて」と返すとそこから数分おきに連続してLINEの通知が入り、僕への非難が止まらなくなりました。母に「やめさせてくれ」と頼むとそれを読んだ父から「まだまだ送ろうか?」と来たので気持ち悪くなり、これ以上読むと僕の心が耐えられないと判断し、初めてLINEのブロックボタンを押しました。

 

これまで、誰かをブロックする人というのは対話する姿勢が足りないんじゃないかと考えていましたが、僕の考えは変わりました。

この日は赤ちゃんが誕生した日で、どうして僕はこんな嫌がらせを受けてるんだろう?自分の心を守るためのブロックというのはあると気付きました。

 

その夜ずっと父のことが頭の中をぐるぐると巡り、夜明けまで眠れませんでした。

特に悩んだのは自分に対して言われたことではなく、父のことでした。

もちろん、保守を自認するのは自由だし、政治的な考えが合わないこともあるとは思いますが、父が僕を左翼認定するなど“相手の話を聞かないタイプの保守”になってしまったことが悲しいのです。

そういえば近頃やたらと「あいつは反日だ」「あの人はクソ左翼だ」という言葉が目立つなとは思っていました。僕はこういう俗的な言葉で相手を決めつける人とは話が通じない場面をよく見てきました。「ネトウヨだ」も同様です。どちら側にも一定数、行きすぎた人はいると思ってますが、父がそうなってしまったのは何故だろう、と考えてしまいます。

 

思えば高校や大学にも行かせてもらい、今こうして様々な社会問題について調べたり考えたりできる素養があるのは明らかに父のおかげです。

しかし今の僕は父と関わることが辛くて仕方ありません。

 

というか、そんなことよりも僕は我が子に時間と労力を注ぐべきだし、子供にはそういった決めつけで苦しい思いをさせないように、新しい家族と共に頑張って参ります!

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