休日の過ごし方がわからない。
せっかくの休日だから無駄にしたくはないという人は多いだろう。
2度寝をしたり、ゲームをしたり、ぼんやり中身のないテレビを見て過ごして休日が終わってしまうのはなんか嫌だという感覚は誰しも持っていると思う。
とはいえ、世の中は「まん延防止等重点措置」とやらで積極的に外出するのもはばかられる。決して僕に友達がいないからではない。
そんな訳で前から気になっていたNETFLIXのドキュメンタリー映画を観て充実した1日にしようと僕は考えた。
Seaspiracy: 偽りのサステイナブル漁業 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
海が好きで海の生き物を撮影したいと番組制作を始めたテレビマンが海よりも深い産業の闇に気づいてしまうという内容だ。
映画は海洋生物が陸に打ち上げられたというニュースで始まる。
原因は人間が生み出したプラスチックごみ。
クジラやイルカの糞に集まるプランクトンは二酸化炭素を吸収し地球上の85%の酸素を生み出す。つまりこれらの生物を守ることは地球を守ることに繋がり、人間を守ることにもなる。
このテレビマンは大好きな海を守るため海岸のごみ拾いを始めるが、日本の捕鯨再開のニュースを見て捕鯨船を出している日本の太地町に興味を持つことになる。
専門家から「あそこに行くと常に監視される」と注意されたが、実態はどんなものかと足を運ぶことに決めた。
すると本当に太地に着いてすぐ警察に車を止められる。
「休暇で来た」とその場を逃れるも、その後もあちこちで警察や湾岸警備隊に見張られ続ける。
ここまでで開始10分。
この後も世界中でこんなことが行われていたのかと絶句する場面が多々ある。
そしてそれは漁業全体の問題に繋がり、さらには自然保護を堂々と謳っている団体の裏側を知ることになっていく。
とんでもない映画だった。
これを見ると安易な気持ちで魚を食べられなくなる。
環境問題の話を学んで牛肉も減らそうかなと考えるようになっていた僕は、知れば知るほど好きなものを食べられなくなるという不のスパイラルに陥った。
スーパーに行っても常に罪悪感を持ちながら買い物をしている。
「無知は罪だ」と感じたことはあるが「知もまた罪」となるとは。
それでもこの映画を僕が勧めたい理由がある。
ジャーナリストの凄さを感じたからだ。
このテレビマンはヤバい世界にどんどん踏み込んでいく。監視されるし、カメラを取り上げられるし、インタビューを断られる。
登場する関係者は口を揃えて「危険だ」と忠告する。
それでも取材を続けるからこそこうして世界に発信できているのだ。
ジャーナリストは本当に凄いと思う。
シリアやミャンマーの現状を報じる人がいることに、心から敬意を表したい。
緊迫した映像を見る度に僕に同じことができるだろうかといつも考える。
休日を家の中で過ごした自分にもできることがある。それは知って、考えて、行動することだ。
知ることは世界を広くする。