ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

長くて短いパン

PLANETS YouTubeチャンネルの箕輪厚介と宇野常寛の対談を見た。

箕輪厚介vs宇野常寛 意識高い系ブームの終焉と、その次に来るものを語り尽くす会 - YouTube

この中で今の社会が「人を責めることに注力しすぎて、事の解決に繋がっていない」という話をしていた。

僕はこの動画を「やっぱり箕輪さんいいなぁ」と思う部分と「でもこういう所が好きになれないなぁ」と思う部分を感じながら見ていたんだけど、それがまさに動画内で語られていた「人って0か100かじゃないじゃん」ってことなんだと思う。

 

ところで先日、NETFLIXの『トークサバイバー』を見ていてアンジャッシュの渡部はやっぱり面白いなぁと思った。

トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

週刊誌に取り上げられた件に繋がる話ばかりしていたことはあまり好ましくなかったけど、その話し方や他の芸人とのやり取りにおける"表情"と"声色"と"ワードセンス"がずば抜けて上手い!

これを実家の母に話すと「あれ以降この人見たくない」と言われたことがとても気になっている。
そもそも母はアンジャッシュのネタを「面白い」と評価していた人なのに、週刊誌の件を機に「嫌い」になるというのが興味深い。
もう少し付け加えると、嫌いになったきっかけは"週刊誌に取り上げられたこと"であって、それを知るまでは彼が裏で何をしていても嫌いになってなかったというのがおかしな構図だと思う。

当然批判され嫌われるようなことをしたとはいえ、それと同時に彼の持つお笑いの能力が高いということは両立するはずなんだけど、一度「嫌い」になった人にはあまりわかってもらえない。

 

これは今回パワハラ報道のあった楽天の安楽にも言えることだと思うんだけど、明らかにされるまでは応援していた投手だったにも関わらず、突然彼のことを"全否定"するようになるのもいただけない。

もちろん彼が今の楽天に居続けることは到底あり得ないが、彼がプロで活躍できるくらい投手としての実力を持っていることに変わりはない。それとこれとを別で考え、「セカンドチャンス」ということを視野にいれた楽天球団の会見は間違っていないと思う。

そして個人の問題ばかりが取り沙汰されてしまい、パワハラが生まれやすい日本のスポーツ界の上下関係の改善の話、ひいてはあらゆる組織の同様の構造について考えなおすきっかけにできないのがまさに「事の解決に繋がっていない」ということなんだろうな。

 

結論としては、どんな人にも一長一短があって、短い部分があまりに足りてない人というのもいるんだけど、だからといってその人の長い部分が帳消しになる訳じゃないし、そこを活かしてその後の人生を送る権利もあるんだってこと。「こいつは嫌い!」って言い切ることがいかに的外れであるかをしっかり理解しておきたい。