伊集院光のラジオ番組が好きでよく聴いている。
彼の凄いところは、あまり目立たないが必ずどこかに存在している誰かのことがちゃんと見えていて、そこに届くようなトークをするところだと思っている。
2年程前、小学校の生徒がいじめられており、生徒同士だけでなく教師からも「◯◯菌」と呼ばれ、その教師は“ヒカキンのような愛称だと思っていた”などと発言していたというニュースが取り上げられた。
それに対して伊集院は、「教師の立場でいじめについて考えないはずがない。ましてや◯◯菌という古くからあるようないじめ方を知らなかったでは済まされない」とした上でこういう発言をしていた。
「こうしてニュースで取り上げること自体難しいなと思っていて、例えば今学校で◯◯菌と呼ばれている子が、それまで何とも思っていなかったのに、あっ自分はいじめられているんだと気づいてしまう可能性がある」
いじめのニュースを見てこういう子が思い悩むことまで気にかけていたのだ。
先日のピエール瀧の逮捕の件でもそうだった。
「メディアで伝えるのは難しい、大勢の人が聞いているので『大変なんだよ』って話もしなきゃいけないし、いま立ち直ろうとしてる人や立ち直らせようとしてる人もいるから、そういう人を失望させちゃいけない」
と安易に「中毒は恐いね」なんて発言をせずいろんな立場の人達に寄り添う発言をしている。
僕はこういった伊集院のような、気づかれにくい何処かの誰かの気持ちがしっかりと見えている状態を「心の視力がいい」と表現している。
そして自分も含め、みんなの心の視力が少しずつ上がることが平和な社会への一歩だと思っている。