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ロンドンナショナルシアターで公演された『フランケンシュタインと怪物』の演劇。
舞台演出をするのは映画『スラムドッグ・ミリオネア』や2012年ロンドン五輪開会式をプロデュースしたダニー・ボイル。
主演はなんとベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーという別作品でシャーロック・ホームズを演じている2人。
しかもこの2人が怪物役とフランケンシュタイン博士役を入れ替えて演じる2バージョンが5月7日までYouTubeで無料で見れたのだ。
割と知られていないことなので補足しておくと、「フランケンシュタイン」は怪物の名前ではなく怪物を作った博士の名前で、怪物には名前がないので「フランケンシュタインの怪物」と呼ばれている。
演劇は怪物が誕生する瞬間から始まる。
初めは動くことすらままならない怪物が、徐々に手と足を動かしその身体の使い方を覚えて走り出すようになるまでの演技を見るだけでこの演劇に引き込まれていく。
吸収力の強い怪物は自分の姿が見えていない盲目のおじいさんと仲良くなり、言葉を教わり、「愛」とは何かを考えるようにまで成長する。
そして自分を作ったフランケンシュタイン博士に会いに行く途中で事件を起こしてしまう。
僕が唸ったのはこの後。
フランケンシュタイン博士の妻と2人きりになった場面で「君を傷つけるつもりはない」と話す。しかしその直後「それは嘘だ」と言い直す。「嘘を覚えたんだ」と。
フランケンシュタイン博士の妻と弟を殺した怪物は最後に博士と直接対決をする。
2時間越えの演劇で英語字幕しか出せないんだけど、正直言って見入ってしまった。
半端なく面白かった。
ナショナルシアターのYouTubeチャンネルでは募金活動として今後他の演劇もアップされていくようなので、チェックしておきたい。