ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

いたずらパン

小学生の頃のこと。

 

夕方からお出かけの予定があるその日の昼間、僕と従兄弟の兄ちゃんは暇で夕方まで何をして遊ぼうかと相談していた。

 

当時近所に同じ小学校の1つ歳下の男の子がいて、その友達はテレビゲームを沢山持っていたので僕らはゲームをしにその友達の家へよく行っていた。

 

その日もその友達の家で何かゲームを借りようということになり行ってみたが留守だった。

 

何故そんな考えになったのか、僕と従兄弟の兄ちゃんのどっちが言い出したのか全く覚えていないが、鍵を開けてゲームを借りて行こうというとんでもない考えが生まれてしまった。

どう考えてもただのどろぼう」である。

 

僕らは近くで拾った細い木の枝を玄関の鍵穴に突っ込みグリグリとねじ込んでいった。

そしてその枝は折れ、鍵穴の中に枝が詰まってしまった。

なんとかその折れた枝を取り除こうとしているうちに友達のお父さんが帰ってきた。

友達のお父さんは開いていた窓から中に入り(開いてたんかい!)、中からバーナーを持ってきて鍵穴に詰まった枝を焼き払ってくれた。

明らかに泥棒をしようとしていた僕らは何故か怒られもせずに家に帰してもらった。

 

不意に思い出した遠い記憶。