ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

SNSに振り回されないコツパン

Netflix『監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影』が衝撃的だった。

 

Twitter Facebook Instagram などのSNSの開発に携わってきた元社員たちの証言から現代社会を考えるドキュメンタリーだ。

なんとなく感じていたけど、ここまで具体的に表現されていると次にスマホを開くのが恐くなってくる。そんなプログラムだ。

 

まず何より、これらのサービスはいかにユーザーに画面を見てもらうかが勝負だということ。

その為に各社巧妙に考え抜かれた設計を起用している。そのお陰でちょっとした時間についついスマホを手に取ってSNSを開く癖がほとんどの人間に生まれてしまった。

 

そして膨大なデータを元に自分の行動が定められていく。

日頃SNSから見ている画面でクリックしたものやお気に入りに入れたものだけでなく、ただじっくり見ている画面の時間までしっかり記録されていて、普段スマホをよく見る時間に以前見たものの関連情報を挟み込むことで興味を惹きつけるということが常に行われている。

感覚的には自分で好きなものを選んでいるつもりでも、実際はタイミングよく勧められているだけだったりする。

 

更に見ている情報が思想的に偏りのあるものだったら、その関連情報を辿ることでより過激な思想に走りやすくなってしまう。

日本人の中には「右でも左でもない」「政治のことなんか話さない」から自分は大丈夫だと思っている人もいるけど、それこそ正に政治の話題から目を逸らすという思想に引っ張られてしまっている。国民が何も考えないでいてもらった方が助かる人達もいるのだ。

より過激な例では、地球平面説やピザゲートなども出てくる。

地球平面説については以前書いた。

地球平面パン - ソートベーカリー

 

様々な危険性を孕むとはいえ、僕らはもうこの薄い板を手放すことはできないし、利用の仕方によってはかなり良いものであることも知ってしまった。更に今の10代やその下の世代となると、オンラインでのコミュニケーションが人生の大半という時代にもなってくるだろう。

そんな世代に正しく情報の取捨選択ができるよう教育することが今の大人たちの使命だし、仮にこれに失敗すると世界は破滅するとすら言っていい。

 

Facebookの「いいね」機能を作った開発者は、完全にポジティブな感情が人を幸せにするものだと考えていた。しかし実際は自分の投稿に反応がないことで不安になる人が増加した。こういった反動は今後も起こりうるだろう。

オンラインがどんな状況であろうと、家族など常に自分を認めてくれる人が必ずいるということをしっかりと理解しておく必要がある。今まで以上に。

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