小学生の頃、何年生だか覚えていないが社会の授業で自分が住む県にある市町村を全て覚えて白地図に書き込むというテストがあった。
全部合わせて56個。
56点満点のテストだった。
言うまでもなく、その後平成の大合併により次々と小さな町と村が消えていった。
今日現在の総数は20に満たない。
あの一生懸命覚えた時間は何だったのか。
テストで間違えて存在しない村の名前を書いて恥ずかしい思いをしたのは何だったのか。
だってそのほとんどが現に今存在していないじゃないか!
無意味なテストをするべきじゃないと今になって思う。
ドイツ留学の時も似たようなテストがあった。
ドイツには16の州があり、それを全て穴埋めするテストだった。
複雑な名前もあるので学食で覚えようとしていると、隣のドイツ人学生が声をかけてきた。
「そんなのドイツ人の俺も覚えてねーぞ」
彼に日本人は47個の都道府県を全部覚えているという話をすると、信じられないという風に笑っていた。
しかし話を聞いてみると、その学生も含め多くのドイツ人が自分が住む街や州のことについては異常に詳しいことがわかった。
(たまたまそういう人が多かっただけかもしれない)
ただ地名を覚えるよりも、自分が住む土地についての歴史や今の出来事を教わる方が為になる気がする。
小学生にわかるような教え方でいい。
そうやって地元に愛着を持つことが、他の地域の人の見方を理解することにも繋がるのでないだろうか。