大きなホールでの講演会でのこと。
講師が用意したパワーポイントをスクリーンに映しながら講演が進められる。
面白いなぁと思ったのは、スライドが1枚進む度に参加者のあちこちからパシャパシャとスマホで写真を撮る音が聞こえてきたことだ。
スライドを写真に撮る文化はいつから当たり前になったんだろう?
その写真にどんな価値があるんだろう?
僕は恥ずかしながらこの2.3年ぐらいでようやく「学ぶこと」というのがわかってきた。
学生時代は教師が板書したことをそのままノートに書き写し、そのノートが溜まっていくことが「勉強」になっていた。
しかし勉強の本質は教わることではなく、自分で疑問に思うことなんだと捉えられるようになってからは、考えたことをメモしている。
僕の学生時代が証明しているように、スライドをそのまま残したところで学びには何も変化はない。それよりも講師の話を自分の経験と繋げて何を思いつくかが重要なはずだ。
大学時代に隣に座った男の子が僕のノートを丸写ししていたことがあった。僕が重要なことをメモすれば彼も同じことを書き、赤ペンで線を引けば彼も引いた。だからある日ノートの隅にドラえもんの絵を描いてみた。するとなんと彼もノートの隅にドラえもんを描いたのだ!
ここまで何も考えずただ丸写しすることはないだろうが、わざわざ休日にお金を払って講演会で勉強しようという人達が、スライドを写真に収めて満足してしまうのは勿体ないと思う。
もちろんそれぞれのノートを見せてもらった訳でもないから講演から何を得たかはわからない。個人的には物凄い学びのあった話だったので、参加者全員がそれぞれの意見を持てていればいいなぁ。