今までほとんど言及してこなかったけど、僕が一番好きな海外ドラマは「名探偵モンク」だ。
NHK BSで放送していた頃から毎週楽しみに観ていて、DVDを全8シーズン揃えてしまった。
当時は「24」とか「プリズンブレイク」とかアメリカのドラマが流行り始めていて、その中に埋もれてしまった感じは確かにある。
その理由もはっきりわかっていて、主人公がおじさんだしレギュラーキャラクターにイケメンも美女もいないから、日本で売れないのもそりゃ仕方ない。
だけど海の向こうではエミー賞を何度も受賞するなど確かな評価を受けているし、何より売れなきゃ打ち切りが当然のアメリカドラマ界で8シーズン走り切ってるんだから批判の余地はないはず。
「名探偵〜」と言うからにはミステリーなんだけど、基本的には1話完結。奥さんを殺され精神疾患が悪化し刑事を休職中のモンクさんが主人公。
世の中のありとあらゆる恐怖症を1人で集めたようなキャラクターで、素手で物に触れるのは嫌だし、握手をした後は除菌ティッシュが必須、目の前の物がきちんと並んでいないと気が済まないし、狭い所や高い所には当然行くことができない。
そんなモンクさんでも、いやモンクさんだからこそ事件の捜査を始めると誰も気がつかなかった細かい点を指摘することができる。このドラマの最大のポイントはそこで、ほとんどのエピソードで事件解決のカギがちゃんと画面に映っているのだ。そしてそれらはほぼ間違いなくモンクさんしか気づけないレベルのものだったりする。そこが面白い。
更にこのドラマの良い所は、恐怖症を抱えたモンクさんという存在が全くシリアスじゃないところ。苦手なものを眼前にして戸惑う様子がちゃんとコメディとして笑えるものに仕上がっている。そして笑っているといつの間にか大事な証拠を見落としている。
もう何度も観てるし犯人もトリックもわかってるのにまた観れるのはここだと思う。
初見の人と楽しむのも良い。このドラマが面白くないと言った人は今のところいない。
どのエピソードでもハズレは全くないので、適当に1話2話観てみることをお勧めする。