ドイツのBorkenという街の幼稚園を見学させてもらった。
とにかく子供達がおとなしい。
正確に言うと、元気で活発なんだけどそこに落ち着きがあるという感じ。
話を聞くと、その幼稚園の基本的な考えは「子供達が自ら行動し、遊ぶ選択をすること」だという。
つまりクラスの中で、つみきで遊んでいる子、絵本を読んでいる子、ままごとをしている子、編み物に取り組む子、更には食事をしている子が入り混じっているのだ。
これは秩序がないのではなく、自由という秩序があり、個が尊重されているのだという。
だから今日は何をするか、次はどうするかを子供達は自ら考えて過ごしている。
クラスにはそれぞれに割り振られた絵のマグネットが用意してあり、つみきの部屋や廊下や運動ルームなど、自分がどこに行くかを示せばそこで遊ぶことができる。
昼食も用意されているが、お腹が空いた子から食べに来るし、食べた後昼寝したい子もいれば遊びの続きに取り掛かる子もいるという。
日本の保育園や幼稚園のように“みんなで”何かをするということは一切ない。
椅子を並べて歌ったり読み聞かせをしたりもするが、参加しない権利もある。
ここまで子供に主導権を与える保育は日本ではできないものか。
例えば日本の保育園では一斉にお昼寝の時間があったりする。子供達が寝ている間、保育士の休憩や他の書き物の作業などをする時間に充てられている。
大人の為に子供の行動が決まっている様子に疑問を感じる。
しかし保育士は政府や役所で決められたことをこなさなければならず余裕がないという見方もできる。
トップダウンで規制を作ると真ん中の1番小さなマトリョーシカの行動範囲が狭まるのは当然だ。
もっと保育士も子供達も自由に過ごせる園があってもいいのではないかと考える。
ただ自由と言っても何をしてもいいというのではなく、そこには選ぶ権利と責任が伴う。
それを子供の頃から身につけることが大切なのかなと思っている。