最新のテクノロジーが利用されるようになった近未来で起こりうる悲喜劇を描く「ブラックミラー」シリーズ。今回は「アークエンジェル」を見た。
主人公は母親とその1人娘。
公園で遊ばせていた幼い娘が不意に行方不明になってしまう。すぐに近所の人によって発見されるが母親は娘を失う恐怖から逃れられなくなり、アークエンジェルというプログラムを受ける決意をする。それは娘の頭に発信機とカメラをインプラントしたような科学技術だった。
ここまでで何となく起こり得る悲劇は予想がつく。母親は支給されたタブレットで娘の居場所と見ているものを細かくチェックしてしまうのだ。
しかもこのハイテク技術は娘の視界に入る“不適切なもの”に自動でモザイクをかけることもできてしまう。
こういった親の過干渉のせいでむしろ過激なものを求める子供が育つということはいつの時代もよくある話だろう。
野球選手を育てたければ、無理矢理チームに入らせるよりも、野球を見せないようにするというようなことだ。
禁止されればされるほど子供は興味を持つものだろう。
この作品でも悲劇的なラストが待っているが、これは避けられることだ。
健全に育ち健全に過ごしていれば大抵の常識は身につくし、ある程度不適切なものにも触れる。その中で絶対に超えてはならない一線を教えることが大人の使命だろう。