吉本芸人の反社会勢力との関わりが報道されてから、世間の風当たりが強いように思う。関わった芸人だって大きな失敗はしたが罪を犯した訳ではないし、今は会社全体として危うい繋がりを生むような営業を行わないように注意喚起しているところだろう。
それでも「吉本はけしからん!」「吉本芸人が出たら見ない!」と謎の声明を掲げる人は多いようで、そういう人達はどうしても完璧な人間しか許さないらしい。
そんな主張をする人達にこそ見て欲しいのがNetflixのドラマ「Jimmy」だ。
このドラマは1980年代の吉本を舞台に明石屋さんまとジミー大西のエピソードを描いたものだ。
いじめられっこで人とのコミュニケーションもうまくとれず、就職なんてできそうもない大西を受け入れた吉本。そこでも失敗ばかりする大西を庇い続けたさんま。そしてついに絵画の才能を見出されこれ以上なく魅力溢れる人間になっていく姿。
ジミー大西を救ったのは他でもなくこの吉本の“ゆるさ”だということがありありと伝わってくる。
今回の件を通して会社と芸人の契約体制に変化が起こるはずだけど、長年続いてきた独特の“ゆるさ”がなくなってしまうのもどうだろうと思ってしまう。
ドラマのエンディング、MISIAの「最後の夜汽車」に合わせてさんまや紳介、村上ショージやMr.オクレにダウンタウンなど数々の芸人の若かりし頃の写真が流れる。
この頃の“生活は苦しくても仲間といる楽しかった時間”を今も大切にしているのかなと勝手に想像してしまう。
人に迷惑をかけることは良くないが、コンプライアンスでがんじがらめになった世の中に希望はあるのだろうか。