この本、とても良い!
『3000万語の格差』
人間形成の基盤は3歳まででほぼ決まるというアメリカの研究を元にした本だ。
経済レベルの高い家庭の子供が3歳の終わりまでに聞く言葉の数が4500万語
というのに対し、
貧困世帯の子供は1300万語程度
この3年間の約3000万語の違いが将来的に学ぶ力や言語処理能力、何かを達成する力にまで及ぶという内容だ。
だから子育てをする親は3歳までに沢山たくさん話しかけてあげてほしい。もちろん保育士も。
とはいえ、当然ながら同じ言葉ばかり何度も何度も繰り返し3000万回浴びせて子育てがうまくいくはずがなく、ネガティブな単語やキツい言葉遣いばかり聞かされても子供が楽しいはずはない。
そのために本書では「3つのT」を提唱している。
そのうちの最初の1つが超超大事!
“Tune in”
ラジオの周波数を合わせる時に使う言葉。アンテナのチューナーとか、楽器のチューニングとかいうのと同じ。
つまり、子供の興味関心に周波数を合わせるイメージ。目線を揃えて今見ているものについて語りかける(時には黙って見守るのも大事)。
自分のことを見てもらえている子供は安心して目の前のことに集中できる。
逆に見てもらえていないと不安感が生まれ目の前の知らないものにも恐怖を感じるかもしれない。
よく街で見かけるのが、ベビーカーを持つお母さんがスマホを見ていて子供が何かに興味を惹かれていることに気づいていない光景。
これじゃ子供が何かを伝えたくても伝わらず、困ってしまい泣きじゃくるのも当然かと。
そして怒られたり、おもちゃやお菓子で気を逸らされたりする。なんか哀しい。
赤ちゃんは当然最初は言葉がないため、泣いたり音を立てたり、体を動かしたりして何かを伝えようとしてくる。もちろん大人はそれが何かすぐにはわからないが、しばらくTune inしているうちに理解できたりする。
英語に聞き慣れたり、楽器の演奏の仕方で感情が伝わったりするのと同じだと思う。
他にも素晴らしい子供とのコミュニケーションの取り方が沢山書いてあるので全ての保護者そして保育士などに是非読んでもらいたい。
というか、途中に出てくる「4つ目のT」については現代社会を生きる全ての人に当てはまることなので、もう全員読むべき!
3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ
- 作者: ダナ・サスキンド,掛札逸美,高山静子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2018/05/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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