ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

MESSIAHパン

人は自分に都合の良いことが起こると頼ってしまう生き物だ。それも2度3度と奇跡のようなことが起きた時、そこに居合わせた人のことを救世主と呼ぶ。

 

Netflixの新ドラマ「MESSIAH 」

(作中で誰もが「メサイア」と発音するのにタイトルを「メシア」とは書けない。以下ネタバレ有り)

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イスラム国の攻撃からダマスカスの人々を救い、テキサスの小さな街の竜巻からも人々を救い、様々な奇跡を起こすこの男を人々は「Messiah/救世主」と呼ぶようになる。

 

SNS全盛の現代社会でそんな存在が現れれば一斉に知れ渡り、あっという間に全世界の注目が集まる。

“本人は何も言っていないのに”大勢の人々が彼を崇め、その自らの救いを求めるようになる。

世界中で一大ブームを巻き起こした後Messiahは姿を消し、CIAが突き止めた本名がテレビで明かされると人々は一斉に彼を突き放す。

彼を信じて長い期間共にした牧師でさえ最後には苦悩の末に教会を焼き払う決意をする。

 

結局のところ、みんな心の奥底では“もしかすると偽物かもしれない”と思っていた訳だ。

だけど多くの奇跡を目の当たりにして、多くの人々が信じているのだから自分もあやかりたいと思ってしまうのだ。

 

そんな中でただ1人、ダマスカスで最初に彼を信じたジブリルという男の子だけが最初から最後まで救世主を信じている。

 

「わらをも掴む」とはよく言うけど、本当に苦難を強いられた人はあり得ないものでも信じてしまう。そういう世界を描いた時点で面白い作品だった。

でもね、明らかにこれ、謎を残してシーズン2に入る展開だよね。スッキリとはしなかった。