トランプ大統領のTwitterアカウント凍結について、過激な支持者へのアジテーションをさせない目的なのは理解できる。逆に結束する支持層もいるみたいではあるけど。
僕が気になったのは、トランプを否定すべきだという動きが、その存在すらなきものにしてしまう向きに走り始めていることだ。
以前、黒人差別への抗議から銅像を壊す行動に移った時にも同じようなことを感じた。
トランプは確かにアメリカ社会を大きな分断に追い込んだ酷い大統領ではあるんだけど、その分断に加担したのは他でもなく国民自身だということを忘れてはいけない。それは支持者にも反トランプ層にも言えることだ。
そしてTwitterはトランプの過去のツイートまで無かったことにしてはいけない。どこかが記録を残しているだろうとは思うけど、彼のツイート全てがアメリカの歴史の証拠だし、更にはそのツイートに寄せられた数多のリプライだって今の社会を物語る上で無視できない検証材料なのだ。
ドイツ社会はかつての独裁者ヒトラーを記憶から消すことまではしていない。当時を否定し未来の社会への反省材料としている。(批判的言説しか認められな過ぎることへの多少の疑問はあるけど)これができるのは負の歴史さえもしっかり残してきたからだ。
僕はトランプを支持する訳ではないけど、彼の言動は全て重要な歴史の一部として残されるべきだと考えている。