ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

労働と幸せパン②

映画『ちょっと今から仕事やめてくる』を観た。

ちょっと今から仕事やめてくる

ちょっと今から仕事やめてくる

  • 発売日: 2017/12/01
  • メディア: Prime Video
 

2回目だから内容は知っていたけど、定期的に観ておきたくなる映画だ。

そして今日本で働く全ての会社員が見ておくべき作品だとも思う。

 

実は僕はこの映画の主人公と全く同じ境遇にいたことがある。

就職活動で内定をもらった会社に何となく入社し、別に向いてもいない仕事でもなんとか頑張ろうと真面目に取り組み、帰宅後でも週末でも仕事のパソコンを開き、身近な人にも強く当たってしまい、いつからか朝起きるのも億劫になり、夜は夜で寝てしまうと明日が来てしまう恐怖で夜更かしをしてしまい、最初に持っていたやる気と自信は失われ、絶対に言ってはいけないと決めていた「死にたい」という言葉が自然に口から出ていたりした。


作中では会社を辞めた主人公がスキップをして横断歩道を渡るシーンがあるが、僕にはその気持ちがもの凄くよくわかる。

僕もなんとか会社を退職した帰り道、ちょうど今くらいの時季で桜並木を歩いたことを覚えている。スキップはしてないけど晴れやかな気持ちだったことは間違いない。

 

とはいえ実際のところ、作中の部長の言うように“逃げた奴を雇う会社なんてない”と考える人は多いと思う。就職活動で苦労した人ほど、その恐怖で辞めることができないでいるのは当然だ。

だけどこれも作中のセリフにあるように“仕事なんて沢山ある”ということも事実。自分に向いた仕事に出会うまで転職を繰り返すのもありかもしれない。

 

僕の場合は縁あって自分の好きな業界で仕事をしている。これはもの凄くありがたいことだったといつも思う。

 

そして新しい環境で長期休暇を取り、1人で海外旅行をする飛行機内でこの映画を観たのが1回目だった。

その時も上に書いたようなことを思い出していた。

 

ありふれた言葉だけど僕らの人生は1度しかない。そしてその歩む道を自分で決める権利がある。

この映画は仕事に悩む人にこそ観てもらいたい。なのに予告編が「福士蒼汰カッコいい」に終始するところが、ちょっともったいない。