1ヶ月程前、僕らの生活からトイレットペーパーを始めとする紙類が消えかかる事態が起きた。
きっかけは製造・輸送の危機を謳った“デマ”だった訳だけれども、デマとわかっていても実際にスーパーの棚から商品が消えている様子を見てしまうと「とりあえず買っておこう」という気持ちが生まれるのも理解できる。
本当は家に多少ある人はとりあえず買わないで欲しいけどね。
先週、その件について面白い検証を知った。
Twitterでデマの元となったツイートを追うと、何とそれ自体には1リツイートしかされていなかったという。
しかしそれに対して「トイレットペーパーはほぼ日本製だからなくなることはない」「トイレットペーパーがなくなるっていうのはデマ」などのツイートが散見されるようになり、それらを表面的に受け取った人達が「なくなるらしい」「買っておこう」「今はよくてもいずれ」と話題に上がるようになり、Twitterのトレンドワードに載って更に広まるという経過を辿ったという。
これでよくわかった。
たとえデマであっても「それはデマだ」と書くことで逆に広めてしまうことがある。
つまり、2020年のネットリテラシーとしては、デマは無視するってことなんじゃないだろうか。
そういえば昨年、宇崎ちゃんという胸の強調されたキャラクターを起用した献血ポスターが大バッシングを受けた一件があったが、あのポスター自体ほんの限られた場所にしか貼られていなかったものを「これは良くないですよね!」とネット上で取り上げられたことから広まったんじゃないだろうか。
知らなくて済んでいた人にまでわざわざ伝えたのは批判的な人達じゃないか。
お笑いコンビのAマッソのネタが大坂なおみに向けた差別発言だと騒がれた一件も同様に「これはいかん!」と思った人が拡散を重ねていった結果、そんなことはつゆほども知らない本人に届いたところがある。
こういった事例を見てもやはり、自分が良くないと思ったものは黙殺することが正しい対応なのだと多くの人が理解していかなければいけない。