ひと昔前の音楽が流れたところで、
「懐かしいなぁ〜」と思わなくなった。
僕がそもそもそんなに音楽を聴いていないだけかもしれないし、定期的に古い曲を古い思い出と繋げて思い出す懐古主義的な性格のせいかもしれない。
僕はよくちょっとしたことから連鎖的に次々と記憶を引き出すことがある。
先日もある曲を聴いて、昔のテレビの深夜番組を思い出し、その番組の内容を話した友達の顔が浮かび、その話をした学校の廊下の景色もはっきりと再現された。
会話の中で出てきたワードに触発されて、別の話題と繋げて話したりすることもよくあって、たまに相手を困らせている。
僕はこれを“記憶の引き出しの建て付けが悪い”と呼んでいる。バンバン開いてくる。
そうやってちょくちょく記憶が引き出されるものだから、みんなが何かに対して「懐かしいねぇ」と言っている時に僕の中では“最近見返したばかりのもの”になっているんだと思う。
しかも今は記憶が曖昧でもちょっとしたキーワードで検索すれば簡単に再開できるようになったことも大きいのかも。
考えてみれば「懐かしい」なんてのは人それぞれの感覚で差があるのは当然で、みんなと同じである必要もないと今になって気がついた。