ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

BLMパン

Netflixドキュメンタリー映画「13th-憲法修正第13条-」をYouTubeで無料で見ることができる。

https://youtu.be/krfcq5pF8u8

 

奴隷制廃止を目的に制定された合衆国憲法修正第13条によって「奴隷解放」が進められ、全ての人に人権が与えられるかと思われたが「犯罪者を除く」の一文により、かえって黒人に対する不当逮捕が増えた。

その差別観は現在も続き、アメリカ全体における黒人受刑者の数は人口比率を大きく上回っているという。

実際に起きた事件を取り上げ、アメリカ社会の黒人差別の歴史が分かりやすく説明されている映画だ。

 

知らなかっただけで残酷な歴史がこんなにも積み重ねられていたとは。見ていると差別を受けた人々の怒りや悲しみはどんなものだろうかと想像する。そして今、日本ではそういうことが起きてないだろうかと考え直す。

 

政治家が提案する新しい法律に安易に賛同した結果としてそこから漏れた人々の苦しみがあるんじゃないだろうか?

僕らはそこまで想像してから賛同できているだろうか?

自分にとって都合の良い政策ばかりを選んでいないだろうか?

 

きっかけを作るのは権力者かもしれないけど、それを悪い方向に利用するのは実は自分たちなのかもしれない。

 

もちろん悲劇が起きればそれを正そうとする人たちも現れる。

Black Lives Matter 「黒人の命も大切だ」の運動もまさにそう。一人ひとりが“人権”について考えることの重要さを訴えている。

 

たとえ不当逮捕であっても一度収監された黒人は社会復帰への道が閉ざされているという。

仕事はもらえない、資格試験も受けられない、勉強する為のお金も借りられない。

そんなことでは生きる為に金品や食糧を奪って本当に犯罪者になるしかない。そしてまた捕まる。

 

この話を聞いて個人的にはCriminals Lives Matter 「犯罪者の命も大切だ」と感じた。

たとえ過去に大きな誤ちがあった人でも今日を生きる権利はあるし、幸せに向かって努力する権利もある。罪を償った後は変わらず1人の人間として扱われるべきなんだと思う。

 

日本は悪い方向に向かっているように感じる。

一度でも犯罪者と認められた人は当然ながら、まだ容疑が確定していない段階でも糾弾、ここ数年は到底罪とは呼べないようなことまであげつらって批判批判批判批判…。

そこに“人権”なんて考えがあるように思えない。ほんの少しでも「道」を外れた人は全て排除して理想のクリーンな社会を目指す。

これは絶対に間違っている。

 

おそらく自分が排除される側になることを想定していないからそんな考えになる。

黒人でも犯罪者でも移民でも障害者でも、どんな人も「人」だと認められなくなった社会にもう希望は持てない。

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