ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

エストニアパン㉕帰国

墓地を出て公園を横切って駅に戻る。公園では園児が安全用の反射板のついた服を着てヘルメットを被って遊んでいる。入念だな。

駅のHesburgerに入ってみる。チーズバーガーもポテトもまぁ普通なんだけど、コーラのカップに入っている氷の量がめちゃくちゃ僕好みだった。やるじゃんHesburger。あんなに嫌っていたのに割と満足している。

電車に乗ってヘルシンキ空港へ。そうだマリメッコが好きな先輩にお土産を買おう。

 

飛行機の中でこの旅を思い返す。一年くらい前に目標とした旅行だったけど、行ってよかったことに間違いはない。日本で誰からも何とも思われていない国は実は世界中から人が集まってくる先進国だった。そして確かにIT分野の発達は人々の生活を変えつつあるけど、田舎はやっぱり田舎だった。ここの情報格差を埋めることが日本やエストニアに限らず多くの先進国に求められる課題なんじゃないだろうか。未来に望みのある社会とは皆が恩恵を受けられ、誰一人として零れ落ちることのないようセーフティネットが敷かれた社会なのだと思う。あいつは敵だと言い放ち攻撃するきっかけを作るんじゃなく、皆がそれぞれ個性を活かし合い少しずつ良くしていけるといいなと考える。機内で観た映画の影響でそんなことを考えた。

 

成田空港に降り立った。ここから家の最寄り駅までまだ2時間もある。電車の中には大声で喋る大学生、横から無理やり押してくるサラリーマン、ドアの目の前に立って邪魔になっていてもスマホを見ていて自覚していないおばちゃん。

僕は急激に日本の空気に染められていった。