ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

エストニアパン⑰比べること

起床してシャワーを浴びようとすると、ドアが開かない。なんとシャワールームが隣の部屋と繋がっていて、隣の人が使用中だったのだ!意味わかんない、そんな設計あるの!?

テレビをつけるとちょうど見たことのある景色が映し出された。タリンのタムサーレパークだ。あそこで見た開発計画の会議が行われたらしく、CGで未来の公園の様子が紹介されていた。公園でWi-Fiが使える現時点で日本より進んでると思うんだけどね。隣人のシャワーが終わったらしい。おい、なんだこれ、排水溝が詰まっててめちゃくちゃ臭うじゃないか。

Rimiは外さないのでリンゴと水とハムを買って朝食にし、タリンに向かうバスの時間を確認。マジか。次のバスまで4時間あるじゃないか。昨日くまなく散策してしまったからもうこの町に行くところないぞ。とりあえずポストカードを書いたり読書をして過ごす。本の中に「他人と自分を比べない」とあった。そうだよな。

実は今回一人でエストニア旅行をすることを話すと実家から物凄く心配された。どこに行ってどこに泊まるか旅行スケジュールを送ってこいと。今回僕は行き当たりばったりの旅がしたかったので適当に書いて送っておいた。そりゃ心配する気持ちもわかるけど、大学から実家を離れて一人暮らしを始め、ドイツに1年間留学もしたし、今は東京に出て働いている。今更細かいスケジュールを伝える必要まではないだろうと、出発前に友人に相談した。するとその友人の家は放任主義で、どこに行くか言っていればそれでいいという。実はその友人は生まれてこれまで一度も実家を離れたことがない。それが急に10日間一人で出掛けると言って心配しない親の方がむしろ心配になる。

とにかく生まれ育つ環境は皆違うし選べない。だからもうこれ以上比べることはやめた方がいいのだ。

 

ようやくバスが来て音楽を聴きながらウトウトしていると隣のおばさんに頭をぶつけてしまった。ごめんなさい。

タリンバスターミナルに到着。予約したホステルまで歩いて30分か。しかも日差しが強くて一段と暑い。もう僕はエストニアに慣れてしまったのか、歩いてても面白くない。いや違うな、何があるかわからない田舎町を見た後に、マクドナルドやスターバックスの並ぶ首都タリンを見ても興味が湧かないだけだ。だいたいのことは予想がついてしまうのだ。

ただ、最初に歩いたタリンが旧市街地だったのに対して、今回はモダンな街並みだ。はっきりと分けていることを実感する。

狭い路地の隙間にホステルの入り口があった。わかりにくい。