ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

YouTuberという"職業"パン

最近「YouTuber」という言葉がよくわからなくなってきた。

いやもちろんYouTubeで動画を配信している人のこと全般を指すんだろうけど、「子供のなりたい職業」とされるそれは職業なのかと疑問に思う。

というのも、かつては配信者の考えた企画が話題になっていた潮流があったものの、結局のところ外の世界の話題をかっさらうのは【報告】とか【緊急】みたいな見出しがついた動画になっているからだ。
そしてそれらが注目されている点は、企画性というよりも時事性や衝撃性に偏っているように思える。

そんな動画の配信者は一様に、最近起きたニュースについて「解説」をしたり「意見」をしたりしていて、これはこれまで「解説委員」や「専門家」の仕事だったのではないのかと確認したくなる。

あるいは話題になった犯罪者や有名人に「取材」「対談」と称してインタビューした動画などもあるけど、これは「ジャーナリスト」の仕事なのではないだろうか?

 

もちろん誰でもチャンネルを持つことができるYouTubeにおいては、大学教授など本物の「専門家」や、取材に飛び回る本物の「ジャーナリスト」が発信のために動画を配信していることもある。

また「アスリート」がトレーニングの様子を発信したり、「料理人」が食材の調理法を発信するなど、各々の専門分野を世に広く知らしめることにYouTubeを役立てているように見える。

そう考えたときに「YouTuber」は職業ではなく、単にプラットフォームの利用者を指す言葉なんだと合点がいった。

そしてそういった専門的な内容の発信は一朝一夕にできるものではなく、長年の鍛錬の賜物だということを僕ら視聴する人間は常に知っておかなければいけない。