ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

STARTING OVERパン

高橋優ライブツアーSTARTING OVERに行ってきた。

 

この5年くらい彼の曲に勇気付けられ、考えさせられ、涙させられてきた。

 

そんな彼のライブに初めて行くことができた。

 

音楽のライブに行く経験がそもそも少ない僕は、本当に楽しめるか不安だった。

 

しかしそんな心配は全くの杞憂だった。

 

1曲目のルポルタージュから一気に気分が盛り上がり、2曲目のストローマンで既に満足とも言える感覚に陥った。

 

この2曲の歌詞がとても良い。世の中には沢山の素敵なものと考えるべき問題が転がっているにも関わらず、簡単な方へ流れて行きやすい人々を描いている。

どこかのタイミングで「お前達のことだー!」と言ってくれたら気持ちいいなと思っていたが、まさに「どこかの誰かと片手で繋がり」の歌詞のところでスマホを弄る動作をしていた。

スマホばかりの人々への強烈なメッセージだがどれだけのお客さんに響いただろうか。

 

そして楽しいトークゾーンで触れた“目が笑ってない”話からいいひとを歌う流れも良かった。

 

僕にとって強烈な時間はその後だった。

象→高野豆腐→虹

この3曲の並びのところで急激に涙が止まらなくなった。

象の歌詞が今の自分が置かれた状況にピッタリと重なったからだ。

 

日頃から人と話す際に簡潔にわかりやすい順序と言葉を選んで結論に繋げることができているのに、親の前だけは完全に調子が狂う。結果納得がいかないままうまく言いくるめられてしまって後から嫌な気持ちだけが残っている。

この感情を最近も味わっていたため、歌詞の「心まで躾けられた」に大きく頷いて涙が溢れてしまったのだ。

 

そして高野豆腐。これも前の会社の時に仕事も人間関係も上手くいかなかった自分を当てはめてしまっていた。

もちろん最高に手の込んだアニメーションに笑いながら、僕は泣いていた。

 

その後に歌った虹で自分の感情がプラス思考に変えられる。これから先は明るい未来があることを自分でもわかっている。辛い過去を捨てて「数cmずつでいいから」ここからやってやるぞという気持ちにさせられた。

 

その後もHarazie!で楽しく盛り上がったり、リーマンズロックでまた涙したりととにかく感情のジェットコースターは上下左右に振り回された。

 

ライブ終了後は放心状態。

タオルは涙で濡れていた。

 

僕が好きなエンターテイメントはこれだと思った。

前にNetflixで見たハサン・ミンハジやハンナ・ギャズビーなどのスタンダップコメディもそうだった。客を爆笑の渦に包み込んだ直後に悲しい話をする。そしてまた旨がスッとするいい話もあり、様々な価値観で考えさせ、また笑いを生む。

 

僕の感情をこんなにも揺さぶってくれるならチケット代は安いものだとすら思える。

 

僕はこういうライブが大好きだ。

いつも行ける訳ではないが、また高橋優のライブに行きたいと思った。

 

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(客席にちらほらと割とご年配のおじさんがいるのがわかった。歌詞も覚えているようで熱狂していた。僕と同じようにこの人達も高橋優の楽曲にカタルシスを感じているんだと思う。そして彼らは重ねてきた経験の分、僕みたいには泣かずに心で受け止めているんだなと感じた。)