ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

テクノロジーパン

朝井リョウ著『ままならないから私とあなた』の中に、テクノロジーの進歩によって人の人間らしさが損なわれていくという描写がある。

 

先日ラジオでも、映画の空席は自宅でネットで調べて空いてなければ出かけなくなり、昔のようにじゃあ別の映画にしようとか近くでごはん食べに行こうとして思いがけず良い映画や美味しいお店を見つけるという機会が損なわれたという話がされていた。

 

そういえば『千と千尋の神隠し』のオープニングだって、車を運転するお父さんが「こっちが近道だ」とか言って山道を迷うところから物語が始まる訳で、今の子供世代からすると何でカーナビ使わないの?って話になってしまう。

 

もちろん『ままならないから〜』の中に記述があったように、徒歩しか手段がなかった人類が自動車を使うようになったことで、徒歩で出会えていた人と出会えなくなったとも言えるが、その代わりにより遠くの人と出会えるようになったとも言えることを噛み締めておきたい。

 

つまりテクノロジーも使いようで、便利になるということと、自分が社会の中で生きるということをしっかり分けて考えなくてはならず、決して1人で閉じこもる為の科学技術ではないよと伝えていきたい。

 

今でいうと、被災して困っている人や酷いいじめを受けて悩んでいる人がSOSを発信できるということなんか、最高の使い道だと思っている。

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