何も言わずこれを読んでもらいたい。
何というか、むごい。
様々な人が様々な理由を抱えて車上生活をしている。
どうにかならないのか。
日本国憲法にはこう書かれている。
第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
この記事に出てくる車上生活者は何も好んでそこに身を置いている訳ではなく、仕方なく日々を生きる為の手段としてそれを強いられている。そんな彼らの生活実態を無視してはいけないことを憲法が示している。
更に言えば、道の駅の駐車場にそういった車上生活者が集まっている状況を放っていることは“公衆衛生の向上”にも反していないだろうか。
記事にもあったように、車がなくては仕事ができなかったり、その車自体に特別な思い入れがあったりする場合でも生活保護が受けられないというのは少し杓子定規になりすぎている気がする。
生活保護の受諾が厳しくても、その人の生活が苦しいのはわかっている訳だから何かしら提案はできるのではないか。
ウィル・スミスの「幸せのちから」という映画では、貧困から抜け出すために新しい仕事を覚えたいのに家賃が払えず追い出されたり、駐禁切符を切られたり、子供の面倒も見なきゃいけなかったりしてまともな挑戦すらままならない状況が続く。
今年公開された「風をつかまえた少年」という映画では、貧しくて学費も払えない家庭の子は勉強の機会すら与えてもらえなくて将来も貧しいままなのが目に見えている。
まぁこれらは実話で、貧困を乗り越えて成功したから映画になった訳で、実際には絶望のまま暮らす人々が世界中に沢山いるはずだ。
こういった負の連鎖を断ち切る必要があるんじゃないかと思う。
そしてそれは行政に任せるだけじゃなく、全ての国民が“健康で文化的な最低限度の生活を営めていない人”を認識することから始まると思う。
車上生活を強いられてしまった人に気付ける人が増えれば、彼らを理解して何かの助けになれる可能性がぐっと上がるはずだ。決して他人事ではない。
そういう意味で3か月もかけてこの取材をしたNHKの記者は凄いなぁと思うし、NHKのニュースサイトの特集記事の価値を改めて認識する。
テレビは…アレだけど。