ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

孤独感パン

アメイジングスパイダーマン2を観た。

 

「今かよ!」とか「1は!?」みたいなツッコミはなしね。

観てなかったから観ておこうと思ってこのタイミング。ちゃんと1から順番に観たから文句言わないで。

 

2の悪役エレクトロになるマックスというキャラクターについて思うことがある。

 

この人はオズコープの電気技師として働いている会社員だが、自分が世間から無視されているように感じているところがある。

街で大事な設計図をばら撒いても誰も拾ってはくれないし、仕事をして褒められることもない。誕生日すら1人で祝うという孤独を常に抱えている。

しかし一度スパイダーマンに救われたことをきっかけに、自分を見てくれているのだと感じスパイダーマンに執着するようになる。事故により電気人間エレクトロとなってから憧れのスパイダーマンと再開、その際に自分の名前を覚えていなかったことから感情が憎悪に変わり、敵役に変貌するという人物。

 

こういう人を何人も見てきた気がする。

そして自分にもこのキャラクターが他人のようには思えない。

というか、多くの人が一度は感じたことがあるような孤独感がマックスの中には詰まっていると思う。

 

何もかも上手くいかない時。

誰も助けてくれる人がいない時。

段々と自分が生きていることが無意味に思えてきて、苛立ちが募り当たり散らしたくなる時。

 

そんな時にほんの少しの親切を受けるとパッと世界が明るくなる。

そしてその人に対する感謝の気持ちが生まれ、いつのまにか偏愛していく。

当然スパイダーマンからすると市民の1人を助けたに過ぎないように、その親切をした人には特別な気持ちはないので、その期待に応えられない。

そうなると、どうして君まで自分を無視するんだという怒りが芽生え、それまでの鬱憤に着火したように凶暴化してしまう。

 

そんな誰の中にもある内面の部分を巧く表現したキャラクターだったように思う。

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