ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

メディアの無力パン

 昨日このツイートが目に留まった。

多くの人が、麻生氏をパワハラだと非難していた。

確かにこの人の横柄な態度や偉そうな問い詰め方はかなり威圧的で、学生時代に嫌いだった教師を思い出させるものがある。

だけども、この“ノーカット”の会見を見る限り記者にも問題があるように思えてきた。

 

彼の威圧感によって質問しづらい雰囲気だったということもあるだろうが、「(質問は)特にない・・・」「いいですか」なんて言わせてはいけない。カメラの前に出てきた副総理に聞きたいことは沢山あるはずじゃないのか。

質問した記者はたったの4人で、そのどれもが「〇〇についてどのようにお考えですか」だった。こんな質問は誰でもできる。そして答えた内容をそのまま記事にすることも誰でもできる。

メディアはそれでいいのか。「どのようにお考えですか」と尋ねるからにはまず“自分がどう考えているか”を持っているべきではないのか。そんなことだから逆質問を食らってだんまりを決め込むことになるんじゃないのか。

 

自分だって別に万全に備えて仕事ができているような人間ではないけど、こんなに無力で政権の痛い所を突くことも出来ないメディアはもはや政権支持側じゃないかと飽きれてしまう。

こんなことだから麻生氏がつけ上がるんだろうなぁ。

 

そんな中で別のツイート。

顔認証改札を通って「早い!」と感動するレポーター。

いや、アンタ立ち止まってるやん!とツッコみたくなる。

現状ICカードで通り抜けることができているものを、全員が“一旦停止”していると混雑するに決まっている。

 「顔を認識した」ことが凄くて今後の可能性あることであって、決してまだ「早い」とは言えないことを伝えるべきじゃないだろうか。

ここにも“自分の考えを持っていない”レポーターがいることに辟易する。

 

同じ取材をした記事がドイツのメディアSpiegel から出ていた。

www.spiegel.de

 

ここでは、車椅子やベビーカーの利用者が手を使わずに通れるという利点を取り上げると同時に、風邪や花粉症対策で日本人がよくマスクをつけることにも触れていて、実装されるにはまだまだ時間がかかると締めている。

 

これでしょ!メリットとデメリット、解決される課題と新たに生じる問題をバランス良く紹介してこそのメディアだと思い知らされる。

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